ぎブログ

わたしもよくわからん

アラサーのおっさんがやよい軒に行くだけの話

今年もあと1日だというのに、全く年末の実感が湧かないと思い続けて早数年。

今日もそんな日でした。

外には出たくもない。寒いし。年末進行のテレビ欄を見ても、テレビ番組を最近しっかり見ないからスペシャルと言われても平常時との違いすら分からず。

ただただゆっくりと過ごしてこの日を終わろう。もし夜に寂しくなったら一人でお酒を飲みに行こう。それだけを考えて過ごしていました。昼に電気消して寝られるって幸せを噛み締めながら。

が、しかし。そこで思い出してしまうのです。今日に限っては外出する必要があること。大晦日に帰省するためのお土産を買ってこい、という使命を。それが無ければ家にも入れてもらえないということまで。

昨日外出してしまえばよかったと思うのはいつも今日。日も暮れてきた頃に仕方なしと重たい腰を上げ、いそいそと着替え始めます。

 

途中タバコ休憩を挟みつつ着替えを終え、家を出ようとします。玄関に洗濯用洗剤が何らかの事情で溢れていて、ブーツの底に付いていたようです。すっごい滑ります。

部屋に戻りました。

やる気でない。

寝たい。

でも仕方ない。はぁ。

鍋に水を入れて、玄関にまく。その上で数歩ブーツを履いて足踏みをします。取れました。洗剤の滑り。

すでに体力は致命傷です。残りの力を振り絞って玄関のノブに手を掛けました。

 

外です。寒いです。

家から出て、2分ほど経ちました。

自動販売機があります。温かいコーヒーを買おうと思いました。

気づきました。

財布を部屋に忘れました。

スタートに戻る。

 

我ながら心配になってきました。

こいつ、大丈夫かと。

部屋に戻り財布を取り、カバンに入れたまではよかった。

ブーツを履きます。

また滑ります。洗剤を流した所に靴を置いていました。

こいつ、駄目だわ。

 

さっきと全く同じ洗いをして再度外出。

目的地はタカシマヤ。電車で10分。歩いて40分。

空と月がとても綺麗だったので、歩く事にしました。お金が心配になった訳では決してありません。

 

なんとなく目的地まで信号機が青の方へ渡る自分ルール。大まかに道から外れなければ適応とかいうざっくばらんさ。

そんな事をして向かっていたら、ふと思うのです。

からあげが食べたい。

自分ルールを即廃棄して、目的地を変更。今日はあそこのからあげにするか。

 

着いたのはやよい軒。言ってしまえば全国チェーン店。

しかし12月も30日とかいうド年末でも安定したからあげが食べられて、かつご飯もお代わり無料という仕組ができる店は意外と見当たらない訳で。

驚きがない代わり、安心感抜群。まるで全盛期の斎藤雅樹を彷彿とさせるような、これで決まり感があります。

ドアを開けて入店、それと同時にとんでもない大きな音がしました。ドアが風圧によって凄まじいスピードで締められたようです。

驚きあるじゃないですか。そういうの求めてないけど。

いつもの券売機のタブから定番メニュー。その中にあるからあげ定食を選択。

全くもって、年がら年中変わりありません。

自分の母と同じくらいか少し上の歳だろう店員さんが、注文の券を切り離し。少々お待ちくださいね、の声と共に厨房に去っていきます。

なんというか、働いてる人は今日だって明日だって正月だって関係ないんだよなぁ。なんだかしんみりした気分になりました。休んでもいいと思うのに。でもそうしたら今日からあげが食べられないジレンマか。そっか。

店内は外国人観光客が半数ほど、更に新しい観光客の団体が券売機に列を成しています。あぁ、きっと今から混むんだろうな。大変だよ。

店内をボケーっと見渡していたら、からあげ定食が到着。思った以上に早い登場でした。

いっつも思うけど、やよい軒のライティングって凄い。全体的に暗く落として、客席の真上にスポットライトで照らしているんじゃないかと思うくらい。定食が2倍美味しそうに見える照明。

それに釣られる私。

早速一口食べて思う。

知ってた。

だってこの味、知ってるし。

やっぱり驚きはない。でも美味しいからいいか。

付け合わせの豆腐は箸で賽の目に切って味噌汁に入れよう。サラダを先に食べてから。ご飯はお代わり1回まで。

からあげのマヨネーズは個人的に好きじゃないし要らないから、塩とレモンで。

全体の食べ方を頭の中でシミュレーションしながら、早速サラダを先に食べる事を忘れてからあげに噛り付いたのでした。

 

 

そんなおっさんがいてもいいよね。